細菌性髄膜炎とは脳や脊髄を覆っている髄膜起こる感染症です。
原因菌・症状・治療法・後遺症・ワクチンのことなどをまとめてみました。

  
こちらのページは医学的な専門知識を持たない患児の母親がさまざまな文献を参照し作成しました。
なるべく正確に記載するようこころがけておりますが・・・
(サイト立ち上げ時にお力添えくださった小児科の先生に目を通していただきました)
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細菌性髄膜炎って??

聞きなれない病名かもしれませんが・・・
髄膜炎の中でもウイルスが引き起こす無菌性の髄膜炎と、
ヒブ(Hib)・肺炎球菌などの細菌が引き起こす細菌性の髄膜炎があります、
細菌性の場合は治療が遅れると知的な障害や、手足のまひなどの後遺症が残ってしまいます。 
髄膜炎だけでなく、これらの菌でひきおこされる病気には、
突然息ができなくなる「急性喉頭蓋(こうとうがい)炎」(ヒブ=Hibでみられる)や
ショック状態になる「敗血症」(両方の菌でみられる) があります。
いずれも重症になるといのちにかかわる、とてもコワイ疾患です。 



原因菌

髄膜炎には無菌性髄膜炎と細菌性髄膜炎があります。
ここでは細菌性髄膜炎について書きたいと思います。

現在日本で発症する細菌性髄膜炎の約60%はヒブ(Hib=インフルエンザ菌b型)*注) 約30%は肺炎球菌によるものであわせると約90%を占めます。
その他髄膜炎菌・リステリア菌・大腸菌・クレブシエラ属の菌・B群レンサ球菌などがあります。
乳幼児に感染しやすく、いずれの菌も自然界に存在し、おもに感染者の呼吸器の分泌物に接触することで感染〜発症します。

*注) 冬に流行するインフルエンザをひきおこすウイルスとは全く異なる1890年にインフルエンザの患者からこの菌が発見されたことから命名されたそうです

症状
発熱・頭痛・首の硬直・咽頭痛・嘔吐など、これらの症状が現れる前にせきなどの呼吸器系の症状がでることもあります。さらに皮膚の下の細い血管が炎症・出血をおこし皮膚に発疹が現れることもあります。
 
2歳未満の乳幼児では、発熱・授乳困難・嘔吐・けいれん発作・大泉門の隆起などの症状がでます。
また、脳周囲の髄液の流れが阻害され、髄液が溜まって水頭症の症状がでることもあります。
 
細菌が髄膜から脳に波及し髄膜脳炎になる場合もあります。
 
まれに、脳の内部に膿の蓄積(膿瘍)が形成されることがあります。
膿瘍が大きくなると脳内の圧が上昇し、嘔吐・頭部の拡大・泉門の腫れなどを引き起こします


治療
脊髄(腰椎)穿剌で検査(髄液検査)し、細菌性髄膜炎が疑われたら、ただちに高用量の抗生物質を静脈内に投与されます。
非常に容体の悪い場合は脊髄穿刺を行う前に抗生物質を投与される場合もあります。
生後6週間を過ぎた子どもには、永続的に神経障害が残るのを予防するためにコルチコステロイド薬を投与します。
 
近年では菌の薬剤に対しての耐性化が急速に進んでいて、適切な治療が難しくなってきているそうです。


後遺症
残念なことなのですが、
迅速で適切な治療が施されても、細菌性髄膜炎を起こした
新生児においては約30%は死亡しています。
月齢の高い乳児・小児であっても
ヒブ(Hib)が原因・・・3〜5%
肺炎球菌が原因・・・10〜15%
脳膿瘍がある子の場合・・・25%
の子どもたちが死亡してしまっています。
 
そして生存した子ども達の
10〜20%に脳と神経に重大な損傷が生じ、脳室の拡大(水頭症)、難聴、脳性まひ、精神遅滞などを引き起こし
また非常に多くの子ども達に学習障害、軽度の難聴、ときおりのけいれんなどの
後遺症が残っています。
ワクチン
ヒブワクチン  
 
現在アジア・アフリカを含む100カ国以上で導入され、WHOの推奨により94カ国で定期接種になっています。
米国では1987年にワクチンが認可されて以来Hib感染症の罹患率は100分に1に減少、1990年には定期接種となり標準スケジュールで生後2・4・6ヶ月および12〜15ヶ月に接種され、イギリスでも1998年には5歳未満人口の10万人あたり0.6人にまで減少したと報告されています。
 

日本では
2006年現在    DF098注射剤が申請済みですが2年以上経過した今もなお承認はされていません。
                             ↓
2007年1月26日  正式に承認されました (商品名:アクトヒブ)

2008年3月現在  承認され1年が経過しますが、発売が延期 いまだ接種することがかないません。

2008年11月    ヒブワクチン「アクトヒブ」が同年12月19日に発売開始することが発表されました。

ヒブワクチンの発売が決まり希望すれば接種ができる状況になりつつありますが、
この現代日本の経済事情の中で『いのちの格差』が生まれることを懸念しています。

私たち【細菌性髄膜炎から子どもたちを守る会】の考える『いのちの格差』とは・・

・経済的な事情から:高額となる接種費用・各家庭での経済的な事情等による格差
・環境的な事情から:周辺地域に接種できる医療機関の有無や地方自治体の助成の有無による格差
・情報不足の面から:疾患そのものワクチンで防げることなどの情報不足による格差

子どもたちは家庭の環境も社会も選択することはできません、守れるはずのいのちと未来が奪われる
そんな状況がなくなることはまだまだ時間を有しそうです。


日本外来小児科学会刊行「子どもの健康リーフレットシリーズ」

    
『あなたのお子さんに「Hibワクチンが必要です』


ヒブワクチンについてもっとくわしいパンフが完成しました!!
     ワクチンのことはもちろん、髄膜炎の診断のこと接種方法時期についても掲載されています。
     ぜひ、ご参照ください
     
 
肺炎球菌7価ワクチン
 
現在日本で認可されている肺炎球菌ワクチン(23価多糖体ワクチン)は非常に多くの抗原量が含まれており局所反応が強いため、反服接種がみとめられていません。高齢者およびハイリスクグループ(脾摘患者、脾機能不全者、鎌状赤血球症、心・呼吸器系慢性疾患患者、免疫抑制をうけている方)の成人の方々を対象に接種が行われているにとどまっています。実際は約5年程度の抗体しか期待できず反復接種を求める声も高まっています。
また乳幼児には抗体がつきにくいことから
米国では乳幼児の肺炎球菌感染症を予防するため、肺炎球菌7価ワクチンが開発され、2000年に乳幼児および児童に認可され、現在は定期接種になっています。世界でも93カ国で承認使用され35カ国で定期接種化されています。
日本では、
2006年    prevenarが治験(国内第2相試験)中
2007年秋〜 治験が終了し承認申請がされ審議中
2009年8月  厚生労働省薬事・食品衛生審議会の部会で承認


小児用肺炎球菌ワクチンについて   肺炎球菌が引き起こす疾患などについてはこちらをご覧ください。